タイだ。

タイで外こもりニートの日記帳。

Archive for the ‘ニュース’ Category

セントラルワールドプラザ

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ラーチャプラソン交差点のデパート、セントラルワールドプラザ(CWP,旧名ワールドトレードセンターCTW)は5月19日、非常事態対策センター(CRES)の軍によるデモ隊強制排除の直後に火災が起こり倒壊した。その火災発生の前後に建物の内と外を写したと言われる写真がネット上に出回っている。
ว่อนเน็ต ภาพชุด ‘เวิร์ลเทรดฯ’ ก่อน-หลังเพลิงไหม้ -prachatai (2010-12-06)

強制排除と火災が起きた5月19日の夕方、建物内部と周辺を写したとする写真が投稿されている(注意:遺体写真有り)。
ポストされた写真: ความจริง และ ศพสุดท้าย ที่ เวิลด์เทรด …. / facebook: ความจริง

写真投稿者による説明:

  • 建物内部の兵士やCRES当局者の写真は火災が起きる前の物。
  • デパート内の警備員、店舗の従業員、その他何人もがショットガンによる足への銃撃で負傷し、全員外に追い出された。
  • 建物内部で銃撃したのが誰かは分からない。

 
記事ではこれらの写真については現在の所、当局のいかなる部署による捜査も確認もなされていないとしている。


8日のニュースでは、CRES広報サンサーン氏が「これらの写真については、既に何度もネット上で出回っている写真であり、捜査の必要は無い」と語ったそうです。写真の中で気になるのは兵士等と共に居る黒い服の人々は誰なのか。それから兵士達があちこちの店舗の鍵をこじ開けている場面。そして不思議なのが、写真には大勢映っているのにこの時の証言が全く出てこない事でしょうか。
当初はデモ隊が放火したというCRESの説明を信じる人が多数でしたが、ラーチャプラソンに最後まで残った女性と記者の証言では火災発生の前に周辺は兵士らが完全に掌握していて消防車も用意してあったと言う。にもかかわらずビルが倒壊するまで火災が続いたこと等から最近は当初から計画された何らかの組織による放火ではないかという疑いを持つ人々が増えてきているようです。これと同時に起きた地方各地での県庁舎の火災に対しても当初から同様な疑問が有りますし、まだまだ隠されている事がたくさん有りそうですね。


追加 2010-12-9:
これら74枚の写真について一枚づつ分析している文書(英語)が匿名で公開されています。
CTW photo analysis

前置きの概要。

  • 場所は全般にCTWの内部と付近なのは確か。
  • 全般に同じカメラによる撮影と思われ、ほとんど時系列に並べてある。
  • 撮影者はCTWの保安要員、警備員と考えるのが最も辻褄が合う。
  • 撮影日は大きく二つのセットから成り、1-60番は5月19日の午後、61-73番は5月21日の撮影。後に追加された74番は別のカメラ。
  • 最初のセットは火災の前。50-51番で煙が見え始める。後のセットは消化後。
  • 火災の前にCTWを掌握していたのは誰かという問には答えられないが、武装した人々がモールの中に居たことは分かる。警備員が三階で撃たれているが、その狙いは足を撃つことだった。ゾーンAの方向からの銃撃。そこは現在火災と倒壊によるダメージで閉鎖中。デモ隊あるいは強奪者が一階で撃たれている。
  • CTW内に一人か複数の銃撃者が居たことは確かだが、それがタイ軍なのか、赤シャツに協力したと言われている黒服部隊なのか、これらの写真からは分からない。
  • パラゴンの裏側にも銃撃者が居たと思われるが、同様にどのグループなのか、CTW内部での銃撃者と繋がりが有るのかは分からない。兵士かもしれないが、武装した兵士が写っているのは壁際でリラックスしている物だけ。


この後に各写真一枚一枚の分析が有ります(長い)。

そして結論部分。

CTW内部に居たのが分かるのは3つのグループ。

  1. 少人数のデモ参加者。強奪をしようとしていたかもしれない。
  2. CTWの警備員。明らかに銃撃から逃れようと避難している。
  3. 見えない銃撃者。複数のグループだったか、デモ参加者と警備員を銃撃したのは同一グループなのか、それは判断できない。

少なくとも3箇所からの銃撃。

  1. CTW内部での警備員とデモ参加者への銃撃。
  2. パラゴンの北東の角からの銃撃。
  3. パラゴンの西側からの銃撃。これは恐らくBTSサヤーム駅プラットフォーム上に居た迷彩服にスキー帽を被った兵士らとの繋がりが有る。

撮影者はほぼ間違いなくCTWの警備員である。写真では顔もはっきりと写っている。彼らは間違いなく写真以上の事を知っているはずだがジャーナリスト達は今後これらの目撃情報を追跡するだろうか。
これらの写真が新たな結論をもたらす物では無いとしてもその反響は著しい。それは起こったことに関する情報が余りにも少ないからだ。事件から6ヶ月経った今も我々は推量し言い争っている。
政府はこれらの新たな証拠を即座に否定し、情報を欲している人々への対応を拒絶した。それが現在の不透明な政策、国民への情報提供の責任の欠如を明示している。

 
かなりこった内容ですね。分析には相当手間が掛かったんじゃないでしょうか。


追加: これも匿名記事。
Some thoughts by someone anonymous – Loss of Gravity

セントラルのスティキアート氏もプラチャーマリーノント氏も元々タクシン氏と「近しく良い関係」で、赤シャツがCTWに放火するという道理に合わない。一方ドゥシット、マーブンクローン、ネーション等(記事には他にもいろいろ)は全く標的にならなかった。今回の事件でチャンネル3、セントラル、タクシン、赤シャツ、反王室派が一気にやっつけられたことになる。これらの宿敵は誰なのか考えてみよう。これ以前の3年間、セントラルやチャンネル3の敵だったのは誰?
というような記事ですが、背景知識が無くて理解できません。興味が有る方は読んでみてください。

Written by thaida

2010/12/09 at 12:32

教育省は英語を第二公用語とする計画案を破棄

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Fear of the outside world | The Lost Boy
教育省は英語を第二公用語とする計画案を破棄したが、その理由が面白い。

教育省チンナヲーン氏「理由はタイ国が過去に植民地化されたという誤解を招くため。英語を第二公用語としている他の国々は一般的に元植民地化であったと見なされる」

 
上記記事のThe Lost Boy氏(抜粋)

現在我々が知るタイ語のルーツは、クメール語の言語記述システムをラムカムヘーン王が導入し改変した物。スコータイはかつてはクメールの統治下にあった。タイ人が辿り着いたチャオプラヤー川下流の地域はモン王国の一部だった。この地域を治め打ち立てたのがアユタヤ、のちにスコータイを吸収しサヤーム文化が展開する。つまりタイ語を話す人々はこのモンとクメールが長い間支配していた領土を奪い取り、それがタイ国の誕生に繋がったということ。それを踏まえると、過去のタイの植民地に関する誤解を招くという理由で英語の第二公用語化の機会を捨てるというのは愚かに見える。

タイは技術的には東南アジアで植民地化されなかった唯一の国と言うが、植民地主義など、他国の概念の影響を受けなかったというわけでもない。仏教だってタイで生まれたわけでも無いが現在はほぼ仏教国だ。第二公用語に英語を導入する事がなぜタイが植民地であったという誤解を招くのか、チンナヲーン氏の言う事は辻褄が合わない。

 
ศธ.ยกเลิกประกาศ ภาษาอังกฤษเป็นภาษาที่ 2 หวั่นถูกมองเป็นเมื่องขึ้น -mthai
上記の「第二公用語とはしない」という発表と同時に「外国語としての英語教育」の強化も発表、数々の対策を上げている。
 

我々外国人がタイで感じるのは、タイの要人はほぼ全て流暢な英語を話すという点ですね。東南アジアで唯一植民地になったことが無いというのがタイ人の自慢ですが、実際は政治家だろうが何だろうが、出世するためには海外の名門大学に留学することがタイでは実質的に前提条件となっています。そして留学するのは当然英語圏の大学でなければなりません。このことと今回の話を見比べると、なんとも言えない面白さを感じます。

Written by thaida

2010/10/28 at 16:04

カテゴリー: ニュース, 教育

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報道の自由インデックス

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国境無き記者団による報道の自由インデックス2010年度版。
Press Freedom Index 2010
เสรีภาพสื่อไทยร่วงกราว 23 อันดับ หลังวิกฤตทางการเมือง
国別順位でタイ国は178ヶ国中153位、前回の130位から大きく下げている。

この団体による指標の特徴としては記者への迫害が大きくマイナスポイントとなるようで、今年のタイ軍による反政府デモ鎮圧で何人もの記者が狙い撃ちされて死傷しており、半年経った現在も捜査には全く進展が無い(捜査できないのか、させないのか)、という点がやはり大きなマイナスポイントでしょうか。

武力による迫害以外でも反政府的なメディアの検閲が大きな点ですね。例えば今年は反政府的なテレビ局、ラジオ局、新聞や雑誌出版社が次々と閉鎖されました。チェンマイでの出来事のように小さなコミュニティ・ラジオ局に警官隊が突入してくればもうお手上げです。政府寄りの大手メディアでもうっかりすればいつ同様な立場になるか知れず、言動には気を付けないと生き残れません。

そして圧力としての究極の道具がおなじみの不敬罪です。例えば大学教授が思想を語れば逮捕、王室について語ればまた逮捕といった具合で、逮捕後釈放された教授も居れば亡命して何年もタイに帰れない人もいます。メディア関係ではつい最近もニュースサイトprachataiの代表が何度目か逮捕されました。また、有名な女性運動家はその演説の内容が理由で18年の刑を宣告され、今も拘置されています。

もっともタイの場合は既に、政府派の市民がインターネット上の言動を監視して反王室的な市民に社会制裁を加えるというような事も起きていて、もう報道の自由どころじゃ無いわけですが。ソムバット・ブーンガームアノン氏(鏡基金、日曜は赤)の「話す事を禁じ、書く事を禁じ、考える事を禁じるのなら息をするのを禁ずるのと同じ事だ」という言葉がその問題の切実さを表していると感じます。

追加 10-29:
日本でもちょっと話題になったようです。
国境なき記者団による報道の自由ランキング 2010 -slashdot-japan

日本は昨年度の 17 位から順位を上げて、デンマーク、リトアニアと並んで 11 位となった。これは非常に喜ばしいことだが、日本でもネット規制への動きなど報道の自由を妨げる要素は依然として存在している。

 
日本の報道については海外の大メディア各社が伝えた日本での出来事を、国内主要メディアが一斉に無視したりということもあってここ最近は注目されているようですね。国内の重大な出来事が海外のメディアだけで報道される、というのはタイでも日本でもよく有る事のようです。

Written by thaida

2010/10/21 at 17:36

憲法裁判所スキャンダル

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憲法裁判所による民主党解党審議に絡んで、民主党議員と憲法裁判所長官秘書の秘密会議を隠し撮りしたというビデオが公開されて大騒ぎになっています。NNAの記事が分かりやすいかな。
【タイ】民主党、裁判介入の疑惑浮上:責任問題追及も、政局不透明に -NNA

問題のビデオはyoutubeやニューマンダラの以下の記事やコメントから辿れますが、非常に長くて自分には聞き取るのはちょっと厳しいです。
Democrat dissolution videos -new mandala

同記事にはナッタコーン氏の意見が載ってますね。

民主党は解党されるべきでは無い。同様にタイラックタイ党やプアタイ党も解党されるべきでは無いのだ。政党を解党する事自体が我々の民主主義の根幹を弱め、再び独裁政権を究極の救世主に仕立て上げることになる。

 
ビデオの内容に関するマティチョン紙の解説記事。
เปิดคลิปลับ!ล็อบบี้คดียุบพรรคปชป.ทางYoutubeมี5ตอน อ้างมีผู้ใหญ่เดินเกมเจรจาให้ โฆษกพท.คุยโชว์วันนี้ -matichon
Bangkok Pundit氏による英語解説。
What are the five leaked videos about? UPDATE | Asian Correspondent

裁判所職員による隠し撮りと考えられるこのビデオは、解党命令を出さない場合の二重基準への批判をかわすにはどうするか等と非常に生々しい会話内容のようです。
ビデオが本物なら解党問題よりも裁判所の独立性の方がより重大な問題かもしれませんが、ナッタコーン氏が言うように裁判所が度々政党を潰す国というのも確かに変ですね。

追加: ナッタコーン氏の言葉の訳がちょっと自信無いので一部削りました(Ridiculous attempt at trying pressure court to dissolve Democrat… の部分まで)。

追加 10-28:
Bangkok Post : Court goes after Pasit’s passport

タイ警察はこのビデオをyoutubeからタイ国内でダウンロードしてメールで拡散した人物を特定し法的手続きを取っている。

 
既に公開されて誰でも見られるビデオですが、それをダウンロードした人物が逮捕された、ということで、これは注意喚起すべき事かと思われます。

追加 10-30:
จ่อหมายจับแก๊งถ่าย-แพร่คลิปยุบพรรค -khomchatluek (10-29)

警察はビデオを撮影して公開した「ギャング」に対する逮捕状を出す予定。裁判所の審査を妨害したという理由。

 
裁判所の不正を告発しても「コンピュータ犯罪法違反」により逮捕されるというタイらしい動きになってきました。結局、自らの不正を反省する気は無いようですね。

追加 11-01:

与党と密会、不正採用疑惑 盗撮ビデオでタイ憲法裁窮地に |newsclip.be タイ発ニュース速報サイト -newsclip

… 最初のビデオはチャット憲法裁長官の側近であるパシット憲法裁長官秘書官と民主党のウィラット下院議員が民主党の解党裁判について密談した現場を撮影したもので、10月半ばにユーチューブで公開された。ビデオの中でウィラット議員は民主党を起訴したタイ選挙委員会の委員長に被告側証人として民主党に有利な証言をしてもらうよう、パシット秘書官に働きかけを依頼した。憲法裁は18日、司法の中立性に対する重大な疑いを招いたとして、パシット秘書官を解雇した。

 次のビデオは憲法裁判事とみられる男性2人とパシット秘書官が憲法裁職員の不正採用を隠す方法を話し合うという内容で、10月29日に公開された。判事が職員採用試験で裁判官の子弟、関係者に試験問題を事前に渡していた事実を示す盗撮ビデオをタクシン元首相派の野党プアタイに握られ、これを知った3人が「ビデオは偽造だと言い抜けよう」「元判事に罪を押し付けよう」などと話し合っている。

 一連のビデオの鍵を握るとみられるパシット氏は解雇直前に香港に出国し、以来、タイに帰国していない。

 タイの司法はタクシン派と反タクシン派の抗争が激化した2006年以降、タクシン派の政党を2度解党し、同派の首相2人を失職させるなど、一貫してタクシン派に不利な判決を下してきた。こうした経緯から、今回の裁判で反タクシン派の民主党が解党される可能性は低いとみられていた。しかし、相次ぐビデオの流出で、インターネット上には「汚職裁判官がタクシンの汚職を裁く?笑いごとだ」といったコメントがあふれ、憲法裁に注がれる視線は非常に厳しくなっている。…

 
完全に信用を無くした憲法裁判所。この後いったいどうするつもりか、興味深いですね。

追加 11-01:
タイの地元新聞を読む: 憲裁判事が情実採用に関与していた事を裏付けるビデオが新たに公開される

 先にプゥア・タイ党が、憲法裁判所職員採用に絡む不正に同裁判所判事が関与している事を裏付けるクリップが存在している事を明らかにしていた事に絡んで、同裁判事が問題のクリップに関する対策を話し合っている模様を隠し撮りしたクリップがタイ時間30日までにYoutube上に公開された。

 公開されたクリップから、隠し撮りをしたのは、先に憲法裁判所裁判長付秘書官を解任されたパシット・サクダーナロン氏と見られ、またYoutube上に公開したのは、先に民主党解党裁判で憲法裁判所判事と民主党が癒着していた疑惑を裏付けるとされるクリップを公開していたohmygod3009。

 当局側は、先に公開されたクリップが香港からアップロードされていたこと、またパシット氏が香港に滞在中であることから、同氏がクリップの公開に関与している可能性もあると見ている。

 新たに公開されたクリップには、憲法裁判所判事2人及びパシット氏が登場し、主にプゥア・タイ党が入手したとされる、同裁判所判事の近親者の情実採用絡みのクリップに関する情報の収集や善後策について話し合う場面等が納められており、中にはプゥア・タイ党がクリップを公開した場合には、民主党解党裁判と結びつける事により憲法裁判所の信用を失墜させる為に編集されたクリップが公開されたと説明するべきであると話す場面や憲法裁判所の元高官にクリップ流出の責任を転嫁しようと画策する場面も見ることが出来る。

 
上記記事には公開されたビデオのyoutubeへのリンクが有ります。

Written by thaida

2010/10/19 at 15:46

カテゴリー: ニュース, 政治経済

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赤動向

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10月17日(日)、赤シャツ集会はチェンマイ県からアユタヤ県へのパレード、そしてアユタヤ県の運動競技場での集会が行われた。
เสื้อแดง “แรลลี่-ชุมนุม” อยุธยา คึกคัก -prachatai (写真集有り)

道中に設置された数多くの検問に加えて道路にマキビシが撒かれていた為アユタヤ県へのパレード到着は大きく遅れた。検問は集会終了後もアユタヤに出入する道路で一晩中行われた模様。

『6月24日民主主義グループ』のソムヨット氏の声明:

政府による武力鎮圧で数多くの死傷者を出した10月14日の事件から37年となる。それは国民に権力を返せという赤シャツの要求に対するアピシット政権による武力鎮圧で92人の死者と数えきれない負傷者を出したのと同様の事件だった。
政府に対し、政治犯の釈放、裁判所改革、経済改革、農業従事者への充分なレベルの社会保障、強制閉鎖された赤シャツ系メディアの報道の権利の回復(D-station、ピープルズ・チャネル等のTV局、レッドパワー紙等)を要求する。
またプラユット陸軍大将に対し、政治への干渉を止め、今年の4月10日と5月19日の事件に関する事実を公表し、国民への武力鎮圧を命令した者を迅速に罰する事を要求する。

 
この日の集会は22時頃、参加者に配られた3千発の花火で終了した。
来月の11月はルーイ県での集会。また後半はサムットサーコーン県での集会を検討中とのこと。

Written by thaida

2010/10/18 at 13:41